
社員教育に効果的な反転学習とは?メリット・デメリットとやり方を解説
企業価値の向上や生産性アップのために、多くの企業が社員教育に注力しています。しかし、企業側がいくら研修などを通して必要な知識を提供していても、思うように教育効果が得られないことがあります。この場合は、もしかしたら教育の方法が適切ではない可能性があるかもしれません。
もし、現在の社員教育の効果に満足していないのであれば、「反転学習」がおすすめです。今回は、学習者の習熟度をより深め、効率的なスキルアップに役立つ反転学習について解説します。
目次[非表示]
- 1.反転学習とは
- 1.1.反転学習の効果
- 1.2.反転学習は社員教育に最適
- 2.反転学習のメリット
- 2.1.自分のペースで繰り返し理解を深められる
- 2.2.能動的なアウトプットの機会が増える
- 2.3.管理者が進捗を管理しやすくなる
- 3.反転学習のデメリット
- 3.1.事前学習をこなす必要がある
- 3.2.事前学習の教材を用意する手間がある
- 4.反転学習のやり方
- 5.反転学習のポイント
- 5.1.事前課題でレポートやテストを提出させる
- 5.2.事前課題に取り組みやすい環境を整える
- 5.3.研修後の目標を明確にする
- 6.反転学習に使えるおすすめツール「playse. eラーニング」
反転学習とは
反転学習とは、従来の学習方法を「反転」させて行う教育法のことを指します。
一般的な研修などでは、講師が新しい知識を教えたあと、学習者が自宅で課題をこなして知識を身につけていく教育法を採用しています。反転学習ではこの流れを反転させ、学習者にWeb上などで事前学習をこなしてもらってから、講師による研修を実施していくことになるのです。
つまり、通常は「授業→復習」の流れで進める学習を、「予習→授業」の流れで進めることを反転学習と言います。
反転学習の効果
反転学習をすることで、学習者は必要な知識を身につけてから研修を受けられるようになります。そのため研修では単なる座学だけではなく、グループワークやロールプレイングなどを通じた、より実践的な学習を受けることが可能となるのです。
反転学習は社員教育に最適
従来の教育法では、従業員によって知識のばらつきがあったり、学習後の習熟度に大きな差が生じたりしやすい傾向にありました。しかし、反転学習では事前学習で従業員の知識を均一化できるため、習熟度に差が生まれることを防げます。
さらに事前知識があるからこそ、講義ではなく実践的な教育に時間を割けるようになり、即戦力となる人材の育成が可能となります。人材不足が深刻化する日本の教育シーンには、効率よく即戦力の人材を育成できる反転学習が最適なのです。
反転学習のメリット
より反転学習について知るために、ここからはそのメリットについて見ていきましょう。
自分のペースで繰り返し理解を深められる
反転学習を行う際は、事前にeラーニングなどの教材を利用し、研修の基本的な知識を身につけていきます。この段階である程度の情報を学んで自分に落とし込めるため、後に行う研修をスムーズに習得できる準備が整えられるのです。
また、自分のペースで何度も学べるため、従来の教育法のように聞き逃したりついていけなくなったりすることが防げます。必要に応じて教材の反復学習や早送りができるので、効率よく知識を深められるでしょう。
能動的なアウトプットの機会が増える
あらかじめ基礎知識を学ぶ反転学習では、実際の研修で講義を行う必要がありません。最低限の説明をしたあとは、ロールプレイングなどによる実践形式のカリキュラムや、学習者の質疑応答に時間を割けます。
その結果、従来の学習法よりも能動的なアウトプットの機会を増やせることになります。学んだことをしっかりと定着させて、実用可能なものにブラッシュアップすることが可能となるのです。
管理者が進捗を管理しやすくなる
アウトプットや質疑応答などによって学習者とのコミュニケーションが増えれば、管理者は学習者の習熟度や進捗を管理しやすくなります。その結果、一人ひとりの得意や不得意を洗い出せるようになり、個別フォローを行いやすくなります。
講師が一方的に発信する一方通行の教育ではなく、学習者と意思疎通しながら着実に理解を深められる点が大きなメリットです。
反転学習のデメリット
魅力的なメリットが多い反転学習ですが、反対に気をつけておきたいデメリットが存在することも事実です。ここでは、注意したいデメリットについて説明します。
事前学習をこなす必要がある
反転学習では、事前学習をしないと研修のカリキュラムが理解できないケースが多いです。そのため、あらかじめ学習をこなすための時間を用意してもらう必要があります。
業務と両立しながら学習したり課題をこなしたりすることは、ビジネスパーソンにとってハードルが高いことです。時間が取れず教材をサッと流し読みする従業員と、しっかりと学習してきた従業員では、習熟度に大きな差が出てしまいます。
企業単位で事前学習へ取り組めるようにサポートしないと、高い教育効果を得ることは難しいでしょう。
事前学習の教材を用意する手間がある
反転学習をする際は、研修だけではなく事前学習用の教材を用意する必要があります。そのため、従来の研修と比べると時間的・金銭的コストがかかってしまうことは否めません。
ただし、近年は自社で教材を用意しなくても、eラーニングサービスが提供する既存のコンテンツを活用して学習を行うことも可能となりました。コストや手間を減らしたいのであれば、こういったサービスの活用も視野に入れるといいでしょう。
反転学習のやり方
反転学習を行う際は、以下のフローを参考に進めてみましょう。
- 研修の目的やテーマを設定する
- 課題を決定する
- 学習者に事前課題を共有する
- 集合研修でアウトプットする
- 必要に応じてフォローアップを行う
まずは目的やテーマを設定し、次に事前課題を共有します。その後は通常の研修と同様に集合研修を行い、必要に応じてフォローアップしていきます。
ポイントは集合研修を講義形式ではなく、事前課題をアウトプットできるカリキュラムにすることです。グループワークやロールプレイングなどを通じて、知識を実践的なレベルまで引き上げていきましょう。
反転学習のポイント
反転学習の効果を最大限にしたいのであれば、ポイントを押さえた社員教育の実施が欠かせません。ここでは、反転学習のポイントを3つ紹介します。
事前課題でレポートやテストを提出させる
学習者の習熟度に合った研修を行うためにも、研修の前段階でレポートやテストを提出させることをおすすめします。提出義務を課すことでしっかりと事前学習に取り組んでもらえるほか、学習者の習熟度に応じたカリキュラムが考案できるためです。
全員の習熟度が高ければアウトプットをメインに、習得できていない学習者が多そうであれば解説の時間を多めに取るなど、課題を踏まえたカリキュラムを作成していきましょう。
事前課題に取り組みやすい環境を整える
業務をこなしながら課題や学習を進めることは、ビジネスパーソンにとって負担の大きいことです。そのため周囲の従業員は、受講者が学習に取り組める環境を整えることが大切です。
また、事前学習の手段としてeラーニングを活用すれば、学習者は移動時間や空き時間などで効率よく学習できるようになります。こういった反転学習をサポートするツールを活用することも検討してみてください。
研修後の目標を明確にする
単に知識を詰め込むだけでは、社員教育として十分とは言えません。反転学習を行う際は、「研修後に学んだ知識をどのように活かすのか」についての目標を立てることが大切です。
しっかりと目標を立てたら、どれほど達成できているのかについて上司とフィードバックを行ってください。目標の設定と軌道修正を繰り返すことで、教育で身につけた知識が確実に定着していきます。
反転学習に使えるおすすめツール「playse. eラーニング」
反転学習は、事前学習をして知識を深めてから集合研修などを受けることで、知識を確実に身につけていく学習方法です。社員教育との相性が非常に良好なため、なかなか研修の成果が出ないという場合はぜひ一度検討してみてください。
効果的に学べる反転学習ですが、「事前学習の時間がかかる」「教材を用意する必要がある」などといったデメリットもあります。こういったデメリットを解消して効率的な研修を行えるツールが「playse. eラーニング」です。
「playse. eラーニング」は、3,000を超える豊富なレッスンが月額16,500円〜(税込)の低コストで見放題のeラーニングシステムです。スマートフォンやパソコンからいつでもどこでも学習できて、繰り返し学べるため、反転学習の事前学習の教材として最適です。さらに、テスト・アンケート機能付きなので、集合研修前の習熟度チェックにも役立ちます。
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