トリプルシンキングとは?3つの思考法・社員が鍛えることで企業に与える影響を解説

トリプルシンキングとは?3つの思考法・社員が鍛えることで企業に与える影響を解説

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「社員のトリプルシンキングを鍛えたい」「トリプルシンキングを導入する方法やポイントがわからない」と考えている企業の人事担当の方もいるのではないでしょうか。本記事では、トリプルシンキングの概要やメリット、効果やポイントなどをお伝えします。それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。

トリプルシンキングとは?

トリプルシンキングとは、以下3つの思考法をひとつにまとめた呼称です。

  1. ロジカルシンキング(論理的思考)
  2. クリティカルシンキング(批判的思考)
  3. ラテラルシンキング(水平思考)

最初に上記それぞれの概要を説明したのち、トリプルシンキングを使いわける必要性について解説します。

トリプルシンキング3つの思考法

トリプルシンキングを構成する「ロジカルシンキング」「クリティカルシンキング」「ラテラルシンキング」の3つはビジネスパーソンにとって必要な思考法です。各思考法の考え方や特徴を詳しく解説するので参考にしてください。

1.ロジカルシンキング(論理的思考)

ロジカルシンキングには論理的思考という意味があります。物事を体系的にまとめ、主張と根拠を論理的に説明する思考法です。ロジカルシンキングの特徴に「情報の構造化」と「原因と結果の明確化」があります。

  • 情報の構造化:整理した情報の構成要素を分解したり、共通点ごとにまとめたり、情報と情報の結びつきを明らかにしたりする考え方
  • 原因と結果の明確化:事象や結論に対する根拠を明確にし、矛盾や破綻がないように物事を理解するための手法

ロジカルシンキングが必要な主な場面に「プロジェクト計画の作成」と「問題の解決」が挙げられます。プロジェクト計画の作成では、プロジェクトの背景や目的、方針、内容など多岐にわたる情報を正確に関連づける必要があるため、ロジカルシンキングによる情報の構造化が重要です。

また、日常業務やプロジェクトの推進などで生じた問題を解決する際は、問題の発生原因や背景の分析が必要になるため、ロジカルシンキングによる原因と結果の関係性の明確化が大切になります。

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2.クリティカルシンキング(批判的思考)

クリティカルシンキングには、批判的思考という意味があります。ただし単なる否定ではなく感情や直感、主観や経験に流されず、客観的に本質を見極めるための思考法です。

クリティカルシンキングは直感や経験などに疑問を持つことにより、主観的な思考や先入観に気づけるという特徴があります。主観から客観に視点が変化することにより、誤って認識していた情報や先入観を排除し、正しく物事を検証できるようになるでしょう。

クリティカルシンキングが必要な主な場面に「提案の検討」と「提案の精査」が挙げられます。

  • 提案の検討:提案の先にある自分たちの目的や思惑にとらわれず、相手のメリットを考慮する際に役立つ。自身の提案を客観的に検証し、相手の立場から見たときの視点を確認できるから
  • 提案の精査:相手の思惑を見抜き、相手の提案を自分たちの願いどおりに解釈してしまうことを排除できるから。客観的な検証のもとに物事を決断できる

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 3.ラテラルシンキング(水平思考)

ラテラルシンキングには、水平思考という意味があります固定概念や常識にとらわれず、さまざまな観点から多面的に物事を考え、新しい発想を生み出すための思考法です。ラテラルシンキングには、通常とは異なる切り口からアイデアを導き出せるという特徴があります。

よく活用されるのがオズボーンのチェックリスト(「転用」「応用」「変更」などの項目から連想してアイデアを発想する方法)です。ラテラルシンキングがとくに必要とされる場面は、新しい企画を検討するケース。新たな企画を検討する際は、既存のアイデアや考え方を捨て、今あるもの以外にフォーカスすることが求められます。ラテラルシンキングを使うと、異業種・異業界の手法などに目を向けられるため、既存の発想と異なる視点からの新しい企画検討が可能になるのです。

トリプルシンキングを使いわける必要性

前述したようにトリプルシンキングを構成する思考法には違いがあります。

  • ロジカルシンキングは「的確な情報整理」
  • クリティカルシンキングは「本質の見極め」
  • ラテラルシンキングは「独創的な発想」

状況に応じて使いわけると、精度の高い思考が可能になります。ビジネス上でトリプルシンキングが求められる理由は、複雑なビジネス環境への適応です。それぞれの思考法だけでは、必ずしも複雑なビジネス環境に適応できるとは限りません。

たとえば、ロジカルシンキングが強化されていてもクリティカルシンキングが不足している場合、前提条件や方向性が偏っている可能性があります。また、クリティカルシンキングを意識していてもラテラルシンキングが不足している場合、新たなアイデアが生まれづらい状況かもしれません。ラテラルシンキングが機能していてもロジカルシンキングが不足している場合、アイデアを整理できていない可能性もあります。このように各思考法のウィークポイントをトリプルシンキングで補完すると、複雑なビジネス環境に通用する最適な思考が可能になります。

社員がトリプルシンキングを鍛えることで得られる4つのメリット

社員がトリプルシンキングを鍛えることで以下のメリットが期待できます。

  1. 状況に応じた考え方ができるようになる
  2. 新しいアイデア(発想)を考えられるようになる
  3. 自分で考えて行動できるようになる
  4. コミュニケーション能力の向上につながる

1.状況に応じた考え方ができるようになる

社員がトリプルシンキングを習得すれば、状況に応じた思考の切り替えができるようになります。たとえば、

  • 既存業務の問題点を探す場合:ロジカルシンキングによる分析が効果的
  • 新規業務のアイデアを考える場合:ラテラルシンキングによって創造的な発想を生み出す必要がある
  • 既存業務と新規業務を問わず、結果を検証する際:クリティカルシンキングが効果的

このように、3つの思考法が必要な状況はそれぞれ異なります。トリプルシンキングによって最適な思考が可能になるでしょう。

2.新しいアイデア(発想)を考えられるようになる

現代はインターネットを活用できるのもあり、新たな事業をスタートする障壁が下がっています。一方、市場では新規サービスや企画が増えている状況です。類似したサービスや企画が増えていくため、漫然とビジネスに取り組むだけでは競合他社との差別化はむずかしいでしょう。競合他社が思いつかない独創的なアイデアを発想できる人材が求められています。

新しいアイデアを得るには、トリプルシンキングのなかでも、とくにラテラルシンキングが有効です。新たな企画や取り組みを検討する場合、従来のアイデアや価値観を一旦捨てる必要があります。

しかし今までの経験や知識を重視するあまり、既存のアイデアを捨てきれず、結果的に類似したアイデアになりがちです。ラテラルシンキングを鍛えることで既存の発想から脱却し、異なる視点やアプローチを積極的に取り入れられるようになります。その結果、競合が少なく、差別化された新アイデアが生まれやすくなるでしょう。

3.自分で考えて行動できるようになる

社員がトリプルシンキングを鍛えることにより上司の指示がなくても、的確な状況判断と行動を選択できるようになります。たとえば、上司から資料の作成を依頼された場合、単に過去のテンプレートを使い回すのではなく、状況に応じて図やイラストを使用するといった工夫ができるでしょう。また、会議でも自信を持って発言できる可能性が高くなります。

トリプルシンキングによって主体的に行動する力を養えるため、指示を待つだけの状態から脱却できることもメリットの一つです。

4.コミュニケーション能力の向上につながる

物事をわかりやすく伝える能力が向上するため、トリプルシンキングの習得はコミュニケーションスキルの向上に直結します。コミュニケーション能力がアップすることで業務の効率化が期待できます。重要な情報や意図を的確に伝えられるため、業務のミスや誤解が減少し、効率的な進行が可能になるからです。

また、社内のチームワークがよくなることで協力体制が築かれるため、業務が円滑に回りやすくなるでしょう。

社員がトリプルシンキングを鍛えることで企業に与える4つの効果

社員がトリプルシンキングを鍛えることで企業に与える効果には以下があります。中長期的に見て企業にどのような影響があるのか、解説しましょう。

  1. 生産性の向上が期待できる
  2. イノベーションの創出につながる
  3. 企業に対する貢献度が高まる
  4. 課題を解決する方法を考えられる

1.生産性の向上が期待できる

社員がトリプルシンキングを鍛えることは生産性の向上に直結します。単に業務をこなすのではなく、多角的な視点で業務に取り組めるからです。

仕事に慣れすぎると「現状を改善しよう」という気が薄くなるケースも少なくありません。トリプルシンキングを取り入れることで新たなアプローチや改善点を発見しやすくなるのです。同じ業務でも効率的に進められるようになり、結果的に生産性の向上につながります。

現在の改善点を見出すには、トリプルシンキングのなかでも、とくにクリティカルシンキングが役立ちます。クリティカルシンキングによって物事の本質を見極められるため、現状の問題点を把握しやすくなるからです。

2.イノベーションの創出につながる

イノベーションとは、革新的な技術や発想によって新サービスを生み出す取り組みのこと。社員がトリプルシンキングを身につけると自己肯定感が高まるため、イノベーションの創出につながります。各社員が積極的に意見を発言することにより、会議の活性化が期待でき、異なる視点からの多様なアイデアが生まれるでしょう。

ビジネスにイノベーションが必要な理由に市場の飽和があります。飽和を打開するには新商品・新サービスがきっかけになるケースが多いため、イノベーションを生み出せる環境づくりが大切です。

3.企業に対する貢献度が高まる

社員がトリプルシンキングを用いて独創的なアイデアを生み出すことは企業価値の向上につながります。企業はトリプルシンキングを備えた優秀な社員の長期的な確保が重要です。トリプルシンキングをベースに優れたアイデアを生み出す社員を評価する具体的な方法として、社員評価制度が挙げられます。

社員評価制度は人事制度のひとつであり、社員の生産性向上を促進するための仕組みです。社員評価制度によって正当に社員を評価し、昇進や昇給に結びつけることにより、定着率の向上が見込めます。社員は自分が正当に評価されていると認識し、従業員エンゲージメントがアップする可能性が高いからです。

従業員エンゲージメントとは、「企業に貢献したい」という意欲のこと。従業員エンゲージメントが高い企業は、社員の離職率が低く、定着率が上がる傾向にあります。

4.課題を解決する方法を考えられる

社員がトリプルシンキングを鍛えると、課題解決方法を考える能力が向上します。とくに新しい観点から課題にアプローチする際は、ラテラルシンキングが重要でしょう。前述したようにラテラルシンキングは既存のアイデアや枠組みにとらわれず、異なる視点から新たな発想を生み出す思考法だからです。

また、課題の解決にはクリティカルシンキングも必要といえます。クリティカルシンキングは物事の本質を見極める思考法なので、無駄な情報を排除して簡素化し、真に重要な課題にのみ効率的に取り組めるのです。このようにトリプルシンキングを通じてラテラルシンキングを強化すると、課題に対する効果的な解決策が生まれやすくなります。

社員のトリプルシンキングを鍛える3つのポイント

社員のトリプルシンキングを鍛えるポイントとして以下が挙げられます。

  1. 社員が自ら考える状況をつくる
  2. 成功体験を積ませる
  3. 研修を通じて学ばせる

 1.社員が自ら考える状況をつくる

社員のトリプルシンキングを鍛えるには、上司が一方的に指示を与えるのではなく、社員が自ら思考することが大切です。そのための方法に問いかけとヒントの活用があります。

たとえば社員がプレゼンテーション資料を作成する際に、「もっとイラストを多用しなさい」と上司がストレートに指示するのではなく、「よりわかりやすくするには何が必要かな?」という問いかけや、「適度にイラストを入れると説得力がアップするかもね」などのヒントを与えるものです。

社員に問いとヒントを通じて考えさせると、新しいアイデアを生み出すためのラテラルシンキングが鍛えられます。

2.成功体験を積ませる

社員が単に指示を待つのではなく、自分の頭で考えるためには、成功体験を積ませることも大切です。社員が成功の実感を得られない場合「何も考えず指示に従うほうが楽でいい」と考える可能性が高くなります。些細なことでもかまわないので、上司は部下の工夫を褒めて成功体験を積ませてください。

たとえば、自社で導入したITツールの操作マニュアルを部下に依頼したとします。この場合、部下が何も工夫しなければ、テキスト情報のみのシンプルなマニュアルになるかもしれません。

このときただ指示に従うのではなくマニュアル内に操作画面を挿入すれば、よりわかりやすい内容に仕上がるでしょう。このように社員が自ら考えて行動することでクリティカルシンキングが鍛えられていきます。

3.研修を通じて学ばせる

トリプルシンキングを効果的に鍛えるには研修の実施が効果的です。とくにロジカルシンキングは研修を通じて鍛えやすいといえます。

  • Point(結論)
  • Reason(理由)
  • Example(例)
  • Point(結論)

の順序で伝達するPREP法のようなテクニックは、研修を通じて理論的に学べるからです。社員に対して効率的にトリプルシンキングを学ばせたい場合は、オンライン研修をオススメします。オンライン研修は場所を選ばず受講が可能なので、社員は自分のペースで取り組めるでしょう。

>>>リモート研修・オンライン研修のやり方とは?メリット・デメリットやコツを解説

トリプルシンキングを鍛えるのにオススメのツール「playse.ラーニング

トリプルシンキングとは、ロジカルシンキング、クリティカルシンキング、ラテラルシンキングの3つの思考法をまとめた呼称です。社員がトリプルシンキングを鍛えることにより、状況に応じた考え方や新しいアイデアの創出、自主的な行動、コミュニケーション能力の向上といったメリットが見込めます。企業に与える効果は、生産性の向上、イノベーションの創出などです。

また、社員がスムーズにトリプルシンキングを鍛えるには、自主的に考える環境づくり、成功体験の蓄積、研修の3つが効果的といえます。研修のなかでも、オンライン研修なら気軽に導入できるでしょう。

eラーニングやオンライン研修を実施している「playse.ラーニング」では、ロジカルシンキング研修を含む5,000以上のレッスンに対応しています。eラーニングで内容を理解、オンライン研修で知識を深められるでしょう。

より詳しい内容は「サービス資料・教材一覧ダウンロード」ページより御覧ください。

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