
リスクマネジメント研修とは?研修の必要性から内容・実施方法を解説
企業がリスクマネジメントを怠ったために経営上、大きなダメージを受けることがあります。過去、マスコミで報じられた事件も多数あり、そのダメージを回復することがいかに難しいかは、多くの方がご存じではないでしょうか。
起こってからではく、事前に予測し対応することが重要であり、リスクマネジメント研修の実施は、その取り組みの第一歩となるものです。
今回は、リスクマネジメントの基礎知識とリスクマネジメント研修の意義、内容等について、わかりやすく解説していきます。
目次[非表示]
- 1.リスクマネジメントとは?
- 1.1.リスクの定義
- 1.2.リスクマネジメントとは
- 2.なぜリスクマネジメント研修が必要なのか
- 3.リスクマネジメント研修の内容
- 3.1.①リスクマネジメントについての知識の習得
- 3.2.②リスクマネジメントのプロセスの基礎知識の習得
- 3.3.③リスクの特定・評価の手法の習得
- 3.4.④リスク対応策の習得
- 3.5.⑤リスクマネジメントの体制の検証
- 4.リスクマネジメント研修の実施方法とポイント
- 4.1.①あらゆるリスクを漏れなく特定する
- 4.2.②リスクコントロール力を高める
- 4.3.③自社の体制づくりに活かす
- 5.リスクマネジメント研修におすすめのツール
リスクマネジメントとは?
リスクの定義
リスクマネジメントを一言で表すと、リスクを管理するということになります。では、リスクとは何でしょうか。あまりにも様々な場面で使用されているため、包括的に定義することは簡単ではありません。
しかし、リスクの定義は、まさにリスクマネジメントの原点になるため、認識を共有しておくことが大切です。
リスクマネジメントに関する原則及び一般的な指針を示したJIS規格では、「目的に対する不確かさの影響(期待されていることから、好ましい方向/又は好ましくない方向に乖離すること)」とされています(JISQ31000)。
必ずしもマイナスの影響に限定しておらず、プラスの影響も含めた概念となっています。また、リスクを組織が達成目標とするものに影響を与える可能性があるものと捉えているところに特徴があります。
リスクマネジメントとは
JISQ31000を踏まえたリスクマネジメントでは、その適用範囲は、組織の達成目標に影響を与える可能性のあるリスクに対応するための事前の活動に限定されることになります。
つまり、リスクが顕在化した場合の緊急時の対応である危機管理は適用範囲には含まれません。もっとも、広義のリスクマネジメントでは、危機管理を含めてとらえることもあります。
リスクマネジメントを定義すると、「リスクについて組織を指揮統制するための調整された活動」あるいは「リスクを事前に予測し対応する行動」ということになりますが、企業活動の分野でとらえた場合は、次のような定義が適切かと思われます。
リスクマネジメントとは、「収益の源泉としてリスクを捉え、リスクのマイナスの影響を抑えつつ、リターンの最大化を追及する活動」です。
なお、すでにリスクマネジメントに取り組んでいる企業では、独自の定義づけをしているケースも少なくないと思われます。
なぜリスクマネジメント研修が必要なのか
企業を取り巻く経営環境は大きく変化しています。規制緩和の進展、急速な技術進歩、事業展開の加速、事業の国際化、環境問題による規制強化、企業責任の重視、企業に対する訴訟手段の緩和、国際紛争など、企業に損失を与える要因は、枚挙にいとまがありません。
外部環境として、かつて想定していなかったリスクも発生するなど、多様化は確実に進んでいます。
企業は、あらゆる事態を想定したリスクマネジメントをすることが必要であり、その取り組みについて組織の利害関係者に対して説明責任が求められています。
リスクによる損失が発生した場合、経営の最高責任者は予見できなかったでは済まされず、今まで以上に厳格な責任が問われるようになっています。
一方、マイナスのリスク回避だけでなく、リターンの最大化という意味では、新規事業の展開や事業改革などの攻めの経営をするうえでもリスクマネジメントは不可欠な取り組みです。
企業の信頼性と透明性を確保し、企業イメージを向上させるというメリットもあります。しかしながら、リスクを収益向上に用いたくともリスクマネジメントの体制の整備が不十分なケースは少なくないと思われます。
企業が積極的にリスクマネジメントに取り組んでいくためには、必要となる知識を得るためのリスクマネジメント研修を受けることがスタートになるでしょう。
リスクマネジメント研修の内容
研修は、対象者によって様々なコンテンツがあります。基本となる研修では、リスクマネジメントにおいて重要なリスクの特定・評価の手法を学ぶとともに、実際に自社の体制でのリスクの洗い出し・評価できることがゴールになります。
①リスクマネジメントについての知識の習得
リスクマネジメントの定義とその必要性について概観し、全体像を理解します。リスクマネジメントを怠ったために損失を被った事例についても学習します。
②リスクマネジメントのプロセスの基礎知識の習得
リスクマネジメントの流れ(リスクの洗い出し・評価)と組織での役割について学習します。リスクマネージャーの役割と設置の意義についての理解を深めます。
③リスクの特定・評価の手法の習得
分野ごとにリスクを分類し、実際に自分が所属する部署について漏れなくリスクを特定します。リスクの特定とは、リスクを洗い出し、発見することを意味します。何がどのように発生するのか、そのリスクの原因についても考えます。その上で、影響度と発生確率を基準にリスクを分析し、優先順位をつけます。これをリスク評価と呼んでいます。
④リスク対応策の習得
リスクのマトリックス表をもとに優先順位の高いリスク、低いリスクの回避、リスク・テイク、リスク源の除去など、リスクコントロールの手法を学びます。リスク対応のための目標・行動計画も実際に立てます。
⑤リスクマネジメントの体制の検証
自社のリスクマネジメントの体制や取り組みを検証し、改善点を洗い出します。それを踏まえ、あるべき組織体制を策定するための企画案を作ります。
リスクマネジメント研修の実施方法とポイント
リスクマネジメント研修を実施する際のポイントは3つあります。
①あらゆるリスクを漏れなく特定する
リスクマネジメントのプロセスの基礎知識の習得では、実際に各自の部署のリスクの特定を行いますが、その際、想定されるリスクは徹底的に洗い出します。些細なリスクが様々な要因で企業の存続を揺るがす可能性もあるからです。
②リスクコントロール力を高める
洗い出したリスクは、影響度と発生頻度で評価し、その結果をマトリックス表とした上で自社として優先的に対応すべきリスクを決定します。これを踏まえたリスクコントロールがリスクマネジメントでは重要であり、研修を通じて実践力を習得します。
③自社の体制づくりに活かす
研修で学んだリスクマネジメントのノウハウも、組織で継続的に発展させなければ意味はありません。リスクの特定やリスクコントロールは、体制の整備・方針がまず大前提となるものです。研修では、こうした組織体制をどう構築するかを考える足掛かりとします。
リスクマネジメント研修におすすめのツール
上記の解説内容を踏まえて、ご紹介したいツールが「playse.ラーニング」です。企業を取り巻く外部環境の変化によって、リスクはますます多様化していきます。企業が生き残っていくためには、リスクマネジメントの取り組みは不可欠と言ってよいでしょう。
そのためにも、まずは適切で効果的なリスクマネジメント研修を実施することが大切です。コストを抑えつつ質の高いハラスメント研修をオンラインで行うなら、「playse.ラーニング」がおすすめです。
「playse. ラーニング」は、ハラスメント関連のコンテンツを含む約1,000コース、3,000レッスンが、月額19,800円からの低コストで見放題のeラーニングシステムです。スマートフォンやパソコンからいつでもどこでも学習でき、テスト・アンケート機能付きなので、理解度チェックも可能です。
また、搭載コンテンツだけでなく自社教材のアップロードも可能。搭載コンテンツと自社教材を自由に組み合わせて、より自社に合った研修を実施することができます。
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